白ウサギ像、ウェスト・ショア、サンディドゥノ

Link to English text白ウサギ像、ウェスト・ショOld photo of white rabbit statueア、サンディドゥノ

この白ウサギの彫像は、地元の石職人フレデリック・フォレスターによって創られ、1933年にウェールズ人の元首相デヴィッド・ロイド・ジョージによって除幕された。児童文学の宝物『不思議の国のアリス』に登場する人気者を模したものだ。銘板によると、「この像は、ルイス・キャロルがアリス・リデルとこの海岸通りを散策していたとき、不朽の名作『不思議の国のアリス』の着想を得たことを記念している」。

が、仔細は少し違う。アリスの父でオクスフォード大学クライストチャーチ学寮長のリデルは、しばしば海辺の保養地サンディドゥノに部屋を借りて、妻と子どもたちと休暇を楽しんでいた。そして1861年、彼は町の西部ウェスト・ショアに自分の設計で別荘を建てることにした。1862年8月に完成したこの家は〈ペン・モルヴァ〉と名付けられた(写真右下〉

実際にキャロルが『不思議の国のアリス』の原形をリデル姉妹に即興で語り聞かせたのは、大学仲間の家族らとアイシス川(オクスフォードシャーではテムズ川をこう呼んだ)で舟遊びをしていた1862年7月でありphoto_of_pen_morfa、ウェスト・ショアの家が完成するほんの少し前のことだった。本は1865年に出版されて、大ヒットし、文壇からも高く評価された。

キャロルがアリスに贈ったアルバムに残された〈ペン・モルヴァ〉の写真は、おそらく彼が撮影したものであり、キャロル自身が家の前に佇んでいる。その後の11年間あまり、アリスが楽しく長い休暇を過ごしたこの〈ペン・モルヴァ〉は、2008年に取り壊された。

白ウサギ像は修復され、2015年に現在地に移された。それ以前は、この像は同じ通りの模型ヨット遊び用プールの側にあった。

翻訳:藤沢邦子(日本カムリ学会会員)

郵便番号 : LL30 2AY    地図





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